東大院卒人生オワコンからの逆襲

東大院卒会社員が人生を這い上がる為に転職、英語等について書いて少しでも幸せな生活に繋がる情報を提供できたらなあというブログ

「今俺は幸せなのか?」と思った時に読む近代文学TOP5

どうも。カンボジア出張でトュクトュクに乗って1時間空港まで行った事があるあやです。
あれ、めっちゃ怖いよ。ノーガードだもん。盗まれる可能性大だよ。

大事な書類をずっと抱えながら乗ってましたね。だってタクシーが捕まらなかったんだもん。

 

「今俺は幸せなのか?」とふと思うときありますよね。
帰り道、お風呂場、寝る前に携帯で下らない記事を読んでいる時。

昔の文豪もね、幸せについてあれやこれら考えていたんです。
今日は「今俺は幸せなのか?」と思った時に読みたい近代文学TOP5を紹介します。近代文学ってタダで読めるから良いよね。

第5位「待つ」太宰治

 私が太宰治を初めて読んだのは高1の時の「現代文」で「待つ」という短編集に出会った時です。読んだ時「これは自分だ」と思ったのです。

「待つ」は省線のその小さい駅のベンチで毎日「なにか」を待つ女性の話です。ただそれだけなのです。でも彼女の様々な思いが交錯するのです。

あきらめに似た覚悟と、その他さまざまのけしからぬ空想などが、異様にからみ合って、胸が一ぱいになり窒息するほどくるしくなります。生きているのか、死んでいるのか、わからぬような、白昼の夢を見ているような、なんだか頼りない気持になって、駅前の、人の往来の有様も、望遠鏡を逆に覗いたみたいに、小さく遠く思われて、世界がシンとなってしまうのです。」

 この「胸が一ぱいになり窒息するほどくるしく」まで行かないけど似たような思いってたまに抱きませんか?

「私は、人間をきらいです。いいえ、こわいのです。人と顔を合せて、お変りありませんか、寒くなりました、などと言いたくもない挨拶を、いい加減に言っていると、なんだか、自分ほどの嘘つきが世界中にいないような苦しい気持になって、死にたくなります。」
「身を粉にして働いて、お役に立ちたいというのは嘘で、本当は、そんな立派そうな口実を設けて、自身の軽はずみな空想を実現しようと、何かしら、よい機会をねらっているのかも知れない。ここに、こうして坐って、ぼんやりした顔をしているけれども、胸の中では、不埒ふらちな計画がちろちろ燃えているような気もする。」

「私は誰を待っているのだろう。旦那さま。ちがう。恋人。ちがいます。お友達。いやだ。お金。まさか。亡霊。おお、いやだ。
 もっとなごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいもの。なんだか、わからない。たとえば、春のようなもの。いや、ちがう。青葉。五月。麦畑を流れる清水。やっぱり、ちがう。ああ、けれども私は待っているのです。胸を躍おどらせて待っているのだ。眼の前を、ぞろぞろ人が通って行く。あれでもない、これでもない。私は買い物籠をかかえて、こまかく震えながら一心に一心に待っているのだ。私を忘れないで下さいませ。毎日、毎日、駅へお迎えに行っては、むなしく家へ帰って来る二十はたちの娘を笑わずに、どうか覚えて置いて下さいませ。その小さい駅の名は、わざとお教え申しません。お教えせずとも、あなたは、いつか私を見掛ける。」

彼女見つけてもらいたくないんじゃない?本当は。でも漠然とした幸せを見つけたい。でもやり方がわからない。自分では閉塞感を打ち破れないから「なにか」を期待する。自分もこういう時最近までありました。でもこうやって世に出していくしかないと思ったのが本を書くきっかけです。

待つ

待つ

 

 第4位太宰治「人間失格」

あ、ばれましたね。私太宰大好きなんです。太宰は他の方と自分の幸せの違いに気づき、愕然するんです。

自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々、転輾し、呻吟し、発狂しかけた事さえあります。自分は、いったい幸福なのでしょうか。自分は小さい時から、実にしばしば、仕合せ者だと人に言われて来ましたが、自分ではいつも地獄の思いで、かえって、自分を仕合せ者だと言ったひとたちのほうが、比較にも何もならぬくらいずっとずっと安楽なように自分には見えるのです。」

恵まれた環境下であった事は幸せだったのかと自問するのです。

尊敬されるという観念もまた、はなはだ自分を、おびえさせました。ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、或るひとりの全知全能の者に見破られ、木っ葉みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる、それが、「尊敬される」という状態の自分の定義でありました。人間をだまして、「尊敬され」ても、誰かひとりが知っている、そうして、人間たちも、やがて、そのひとりから教えられて、だまされた事に気づいた時、その時の人間たちの怒り、復讐は、いったい、まあ、どんなでしょうか。想像してさえ、身の毛がよだつ心地がするのです。」
と考えていて結局どうなるのか?彼は幸せにたどり着いたのか?と思ったら読んでみてください。

人間失格

人間失格

 

 第3位 坂口安吾「堕落論」

「人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。
人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。

倫理や道徳の否定ではなく、偉大でもあり卑小でもある人間の本然の姿を見つめる覚悟を問いただした本です。

堕落論

堕落論

 

 第2位 夏目漱石「こころ」

私、先生、その奥さんが登場人物です。
私は大学生ですが真面目な学生ではなく教授の言葉には何も感化されませんでした。
しかしそこに現れたのは先生です。先生は人間との交流も少ない隠居状態の人ですが、この人の言葉、思想に私は極端に引かれ、毎日のように先生の家に通うようになります。

大学を順調に卒業した私は父親の見舞いと卒業証書を見せに行くために帰郷します。
そこへ先生から自分の過去を書いた長い手紙が来ます。
先生は大学生のころKという親友がいました。彼は親に勘当されて貧しい大学生活を送っています。
しかしKは向上心が強かったために、体を酷使してもバイトと勉学を両立しています。
見かねた先生はKに自分の下宿屋に来るようにいます。その下宿屋は奥さんとお嬢さん(後の奥さん)が経営しています。
Kが引っ越してくると、先生は徐々にKとその娘が話をしていると嫌悪感を抱くようになります。
さらにKの態度が徐々に変わってきます。そして先生に彼は娘に惚れてしまったことを告げます。
彼女に好意を持っていた先生は元のKに戻ってもらうように考えます。

そこで、Kが「精神的に向上心の無いものは馬鹿だ。」という言葉をを彼にぶつけます。さらに先生は奥さんに娘さんとの結婚の約束まで取り付けます。
このことを奥さんがKに話した二日後、彼は遺書を残して自殺します。この遺書は先生宛で、薄志弱行で将来の望みがないから死ぬこと、そして今までのお礼などが書かれていただけでした。

先生は後にお嬢さんと結婚しますが、彼女の顔を見るたびに罪の意識にさいなまれます。そんな中で報道されたのが明治天皇の死、そして乃木大将の殉死です。
彼はこの殉死という言葉に触発されて自殺することを決意します。
手紙の最後には妻にはこのこと教えないでほしいということが書かれていました、

という話です。悲しい。

私は人間の心というのはそれだけ常に不安定であり、常に変わり続ける生き物なのであるのだと思う。表面でニコニコしていても、心の中で邪なことを考えている。あるいは、いつも怒っているような人が、実はとても優しい人かもしれない。

しかし、そんな人でも、ついつい人には言えないことをしてしまったことがあるかもしれない。そういうことが、人間らしいことであり、人間であるからこそだと思います。ブログやtwitterで吐露することがそれにあてはまるのかなと。

 

こころ

こころ

 

 

第1位 宮本輝「蛍川」

ごめん、これはマネーが発生する。

14歳の少年竜夫は近所の老人銀蔵から蛍の大群を見たという話を幼いころに聞いて、自分もいつか見てみたいと願っていた。しかし、その蛍の大群は4月に大雪が降るような年でないと見れないという。
竜夫は幼馴染の英子と一緒に蛍を見に行こうと約束をしていたが、中学になってからは英子とまともに会話をしたことがなかたった。
ある日、父親が病気で倒れ入院。父の死が近いことを知る竜夫。
父は事業に失敗し、多額の借金があった。
父の死が近づいた4月のある日大雪は降り、あの蛍の大群を見ることができる条件が揃うのだった。

蛍川・泥の河 (新潮文庫)

蛍川・泥の河 (新潮文庫)

 
魅力は 美しく情緒ある文章。自然描写と心理描写が実に細やか。

「蛍の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、
はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の檻と化し、
天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞いあがっていた。」 死者の魂のように描かれてますね。

「一年を終えると、あたかも冬こそすべてであったように思われる。

土が残雪であり、水が残雪であり、草が残雪であり、さらには光までが残雪の余韻だった。春があっても、夏があっても、そこには絶えず冬の胞子がひそんでいて、
この裏日本特有の香気を年中重く澱ませていた。」

何か本当自分が景色を見て自分の中から生み出した言葉って感じ。

親子との確執、愛、青春、泣きますよ。

-最後に 昔の人も今と同じように悩んでいたって事が分かってほしい-

どの時代でも抱える普遍的な悩みがあって、「人間とは」「心とは」と最初に考え始めたのが文豪。
仕事で忙しい最中、自分でその答えを見つけるのは難しいけど、先人の本にその答えが書いてあるところが私が近代文学をお勧めする理由です。

おわり!時間あったら読んでね!